むつみかぐらまい
むつみ神楽舞
- 山口県
- 9月
石見神楽は、島根県西部石見地方の浜田市を中心とする地域に古くから伝えられている里神楽で、神社の祭礼に夜を徹して奉納される伝統芸能である。能・狂言・歌舞伎等が影響を与えて演劇性を増し、現在の石見神楽が形成されたといわれ、座を清める採物舞と神話や神社縁起を劇化した能舞からなっている。古くから神楽は、神懸り、託宣を伴うもので、神職等の聖職者によって行われ、一般人は舞うことができなかったが、明治時代になり神仏分離令が発せられ、国家の祭務官である神職はみだりに舞ったり踊ったりしてはならないとされたことから、一般人の手にゆだねられることとなり、多くの氏子神楽が生まれることとなった。むつみ神楽舞は、明治37年に秋祭の奉納芸能として畑迫村字高野(現在の津和野町畑迫)から石見神楽を習い受けた経緯が記されている。また、昭和5年の「岩見神楽習受記録」には、那賀郡周布村字日脚(現在の浜田市日脚町)から新たに師匠を加え、八日間にわたって神楽を教わった様子が記録されており、この時に伝授された神楽は、むつみ神楽保存会によって今日まで受け継がれている。
むつみ神楽舞は、昭和51年に発足した「むつみ青年神楽舞」が昭和52年に「むつみ神楽保存会」と名称を変え、現在まで保存・継承されている。高佐八幡宮秋季大祭等、地元の神社での奉納をはじめ、県内外のイベント等で鈴神楽、塩祓、恵比寿、塵輪、鐘馗、大蛇等の演目で公演を行っている。
むつみ神楽保存会が継承している石見神楽は、テンポの速い「八調子」の系統を受け継いでおり、流麗で荘重な舞として親しまれている。