あいづのおたうえまつり
会津の御田植祭
- 福島県
- 7月
会津美里町高田は、会津盆地南西部に位置する農村で、御田植祭は、この地域で田植え終了の節目とされる毎年7月12日に伊佐須美神社の神田で行われる。伊佐須美神社は、高田の氏神で、会津開拓の祖神を祀った会津総鎮守ともいわれる。行事の起源ははっきりしないが、古くから会津一円に知られており、この日までに田植えを済ますと豊作になるといわれてきた。
行事前日は、上町、中町、下町の三地区から太鼓台と呼ばれる山車が神社まで巡行して神職の祈祷を受けるほか、氏子がデコなどと呼ばれる人形を準備する。デコは、翁、ひょっとこ、早乙女の3種計10体あり、いずれも野良着を着た、高さ約90㎝の上半身のみの人形で、笠を被ったり、鍬や苗を持つこともある。
当日は、早朝、かつて神田があったと伝えられる古御田神社で神職の祈祷がある。次いで伊佐須美神社での祈祷の後、境内に集合した子供たちが神職から獅子頭を受け取る。獅子頭は、獅子2頭、馬3頭、牛2頭、鹿1頭の計8頭で、年長の男子が1頭ずつ受け取り、他の子供たちは獅子頭から延びた紅白の綱を持つ。獅子頭を奉じた子供たちは神田に向かい、途中数軒の家で悪霊祓いと称して裏口から表口に土足のまま通り抜ける。伊佐須美神社から1キロほど離れた御田神社境内にある神田に着くと、神田に入って代を掻く。これは田アラシといい、悪霊祓いとされ、田アラシ後の田に手足を浸すと病気にならないといわれる。子供たちは、田アラシを終えると、伊佐須美神社に戻って獅子頭を返す。なお、この間、伊佐須美神社境内では早乙女踊りが奉納される。
獅子頭が返却されると、再び神職の祈祷があって神輿が神田まで渡御する。これにはデコを持つ人、早乙女、催馬楽と呼ばれる田植歌の歌い手、笛と太鼓の囃子などの諸役が従う。
神輿が神田に着くと、デコを持った人が田アラシをしてからデコを畔に立てる。そして神職の祈祷の後、早乙女が囃子と田植歌に合わせて横一列になって田植えをする。次いで早乙女踊りが奉納され、神輿が還御する。また、伊佐須美神社境内では虫札が頒布され、これを田の水口に立てると虫除けになるとされる。
なお、翌日早朝、早苗直祭が執り行われ、氏子たちが神田に植えられた苗をすべて取って、改めて苗を植える。
7月12日午前に行われる獅子追い、午後に行われる神輿渡御、田植神事