むかいやまちくさいれい(むかいやまかぐらじしのしんじ)
向山地区祭礼(向山神楽獅子の神事)
- 愛知県
- 3月
向山神楽獅子は、江戸時代を通じて乙川村における雨乞いや村内各社の遷宮、その他の神事において舞われてきた民俗芸能で、現在は向山区の氏神である市杵嶋神社の例大祭を中心に舞われています。その起源は不詳ですが、宝暦5年(1755)の「乙川八幡社祭礼絵図」で神輿行列の先頭に描かれている獅子が向山の神楽獅子とされています。また、明暦3年(1655)の「向山若連掟写」等が残されていることから、17世紀中頃には獅子舞があったものと推測されています。
神楽獅子の舞には「鈴の舞」「剣の舞」「胴入り」があり、組み合わせて舞われます。また、獅子舞の奉納先まで獅子頭を納めて移動する獅子館(ししやかた)が2基継承されています。
乙川八幡社の例大祭(乙川祭礼)への参加は、長らく途絶えていましたが、平成30年(2018)に再開し、獅子舞、獅子館、とびつき太鼓が披露されています。
なお、向山神楽獅子の神事と獅子館〔明和4年(1767)製〕は、それぞれ半田市の無形民俗文化財と有形民俗文化財に指定されています。
【獅子舞】
向山の神楽獅子は、舞の種類の組み合わせにより「立神楽」「本神楽」「常の神楽」の三種の構成があり、「本神楽」の「胴入り」の舞では後ろ立ち役が支え棒で幕を大きく張って、歌舞伎の見得を切るような形で舞うところが見どころです。
【獅子館】
向山には白木造りと彩色された「獅子館」がありますが、彩色された館は明和4年(1767)に造られ、当地方に残る獅子館では最も古いものと考えられています。屋根は二重構造で軒下廻りには金箔青朱塗りの彫刻が施され、煌びやかで見ごたえのある獅子館です。市杵嶋神社の例大祭では境内に展示されます。
【とびつき太鼓】
獅子館に載せられた太鼓を、花笠を被り派手な装束の子供が踊りながら叩く際、飛びつくように叩くため、「とびつき太鼓」と呼ばれています。叩き手が踊りで体を廻したときや、太鼓を叩くバチを持った手が花笠に触れたときに花笠が回転するため、華やかさのある踊りです。