あわでこはこまわし
阿波木偶箱まわし
- 徳島県
- 7月,8月,11月
阿波木偶箱まわしは江戸時代から続く徳島に特徴的な伝統芸能で、大道芸の「箱廻し」と祝福芸の「三番叟まわし」とをあわせて呼称したものです。
箱廻しは、芝居小屋や農村舞台で演じられた『絵本太功記』や『傾城阿波の鳴門』などの人形浄瑠璃の人気外題を路傍で簡易に演じた大道芸です。箱廻し芸人は、2人か3人が一組になり、ふたつの木箱に数体の木偶を入れ、天秤棒で担いで全国を移動しました。数体の木偶を一人で操りながら浄瑠璃を語るのが特徴です。
三番叟まわしは、ふたつの木箱に三番叟(千歳・翁・三番叟)とえびすの四体の木偶を入れ、木偶遣いと鼓打ちの二人が家々を門付けする正月の祝福芸です。三番叟とえびすが「五穀豊穣」「無病息災」「家内安全」や「商売繁盛」を予祝します。
箱廻しでは、浄瑠璃を語りながら一人で人形を操る技術が圧巻です。また、三番叟まわしは千歳・翁・三番叟・えびすの4体の木偶を使い、五穀豊穣や家内安全、商売繁盛を祈り、祭りやお祝いの席でも披露され、見る人々に福を運びます。
箱廻しは娯楽の多様化によって昭和初期に姿を消し、三番叟まわしも1960年代にはほとんど見られなくなりました。しかし、いずれも現在阿波木偶箱まわし保存会によって復活・継承され、阿波木偶箱まわしと阿波木偶文化に関する歴史資料の展示・公開施設『人形のムラ』が保存会によって徳島市国府町に開設されています。